

省エネ・再エネリフォーム事例 戸建住宅-02
大幅な耐震性能、断熱性能の向上により
安全性、快適性を確保
旧耐震(昭和52年築)の戸建て住宅リノベーション。
住み手の安全性、快適性を確保するため、大幅な耐震性能、断熱性能の向上を行いました。
住宅の概要
・建築年 :1977年 ・構造 :在来軸組工法 ・敷地面積 :96.59㎡(29.22坪) ・1階床面積 :54.24㎡(16.41坪) ・2階床面積 :52.30㎡(15.82坪) ・延床面積 :106.54㎡(32.23坪)リフォームの概要
・工期 :2022年9月解体着工~同年12月竣工 ・費用 :2180万円(税込) ・事業者 :株式会社 電気プロペラ(JSKリフォーム)
リフォームのポイント
複層ガラスの樹脂窓/ 外張断熱

窓は熱の最も逃げやすい部分です。窓の交換や内窓を取り付けることで、断熱性能を向上することができます。今回のリフォームでは、全てのサッシを、断熱性の高い複層ガラスの樹脂窓に更新しました。また、外壁にはフェノールフォーム30mmの外張断熱を施工しました。外壁は、耐震性に配慮して軽くて丈夫な金属系サイディングで仕上げました。
床下断熱

床下断熱には、断熱性能の高いフェノールフォームを採用しました。大引間に90mm、根太間に45mm、合計135mm厚とし、十分な断熱性能を確保しました。
内壁充填断熱


内壁には、低コストのグラスウールを施工しました。 グラスウールの性能を十分に発揮させるため、壁の上下には「気流止め」を行い、壁内部に気流が発生しないように配慮しました。また、気密テープを使ってグラスウールの間に隙間が出来ないように施工しました。
天井断熱

天井断熱には、施工がしやすく断熱性能の高い高性能グラスウールを採用しました。105mm厚のグラスウールを2層重ね、合計210mm厚とし、十分な断熱性能を確保しました。
耐震性の向上(耐力壁施工)

耐震性能を向上させるために、耐力壁をバランス良く配置しました。解体後の実況を確認しながら計算を行い、最適で効果的な位置に補強を行いました。
耐震性の向上(基礎補強)

耐力壁の強度を十分に発揮するために、既存の無筋基礎に鉄筋コンクリート基礎を抱き合わせる「抱き合わせ基礎」で、基礎補強を行いました。土台や柱が浮き上がらないように金物(アンカー)で固定しました。併せて床下の湿気、防蟻対策として防湿コンクリートを打設しました。
採光計画
▼ Before

既存玄関ホール。ドアで仕切られ、窓も隣地との離隔距離が狭いため機能せず、暗く窮屈な印象でした

既存玄関ホール。ドアで仕切られ、窓も隣地との離隔距離が狭いため機能せず、暗く窮屈な印象でした
▼ After

トップライトにより明るくなった玄関ホール。フィックスガラスを通して、奥にはキッチンが見える

トップライトにより明るくなった玄関ホール。フィックスガラスを通して、奥にはキッチンが見える

階段室からトップライトを望む。
新設したトップライトから、玄関ホールに柔らかな自然光が降り注ぐ
間取りの変更

▲キッチンからリビングを望む。和室と居間の間の壁を取り払い、一室の空間に。サッシの形状、天井、壁のビニールクロスで変化を持たせた立体感のある空間

▲リビングからキッチンを望む。キッチン手前に造作カウンターを設置し、I型キッチンをリビングに対面させ、開放的なキッチンとなるよう配慮した

間取りが今のライフスタイルに合わず、
利用されていないスペースが多いため、広さに対して窮屈な印象でした。
1階は間仕切りを取り除き、LDKを伸びやかな空間に。
2階は居室それぞれの使い勝手を考慮して、
収納と間取りを見直しました。
利用されていないスペースが多いため、広さに対して窮屈な印象でした。
1階は間仕切りを取り除き、LDKを伸びやかな空間に。
2階は居室それぞれの使い勝手を考慮して、
収納と間取りを見直しました。
リフォームによる効果
断熱性能による光熱費削減と遮音効果
また、断熱材、および気密性能向上により、屋外騒音に対する遮音効果がありました。
※断熱等性能等級:6(Ua値0.41W/㎡/K、C値0.97㎠/㎡)
耐震性能の向上
リフォームの感想
- こたつと石油ストーブを併用しても寒かった家が、今はエアコン1台で十分暖かい。
- 家の中を移動しても温度差が少なく、脱衣所でのヒートショックの心配がなくなった。
- 外の音が気にならなくなり、静かな環境で睡眠の質が上がった。
- 身体が暖まっているので、冷えを感じることがなくなった。
- 例えば風が強い日でも室内は静かで、家の中にいると、守られているという安心感を感じるようになった。
- 生活する上でのストレス(温熱環境、音環境、風による揺れなど)を全く感じなくなった。
お客様のインタビュー動画(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=PLwfiLHqoHI&list=PLf5HYePPUNBWngtopERHYJZ9nuY0eLcVB&index=1
リフォーム施工時の注意点・補助金活用
リフォーム施工時の注意点
- 耐震診断やインスペクションで事前に劣化状況の調査は行いましたが、調査は非破壊で行うため、劣化状況を全て正確に把握することはできません。
部屋内に水漏れの跡がなくても、壁の中に雨水が浸入して柱がダメージを負っていることも少なくありません。
本物件でも、漏水箇所に蟻害、腐朽菌による被害が複数箇所確認されたため、傷んだ柱は柱ごと交換しました。
また、2階まで繋がっている柱(通し柱)は交換することが出来ないため、傷んだ部分を切り取り、新しい柱を継ぎ足して補強しました。 - リフォーム中のお客様との情報共有は何より大切です。しかし、工事現場は危険が伴うため、お客様に頻繁に現場にお越し頂くことは容易ではありません。
情報共有を円滑に行う工夫として、毎週末にその週に行った工事内容について写真を添えてレポートしました。
どの角度から写真を撮ればお客様に伝わりやすいか、アングルを考えながら撮影を行いました。
補助金活用
- 本物件では「次世代省エネ建材の実証支援事業」(経済産業省)の補助金を活用して、断熱材施工、窓交換、玄関ドア交換の工事を行いました。
本補助金を受ける場合には、交付決定通知を受領してからでないと工事を始めることができないほか、実績報告書の提出期限内に工事を完了させる必要があります。
そのため、現場の状況、お客様のご要望、実績報告書の提出期限など諸条件を加味して、都度工程の見直しを行いながら工事を進めました。
また、「新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成」(文京区)も活用しました。
協力:株式会社 電気プロペラ(JSKリフォーム)
https://www.jsk-reform.com/
https://www.jsk-reform.com/
※物件の詳細については、上記事業者にお問い合わせください。また、本ページにおける各情報は、情報提供を目的として作成されたものであり、特定の商品の売買等を推奨・勧誘するものではありません。